Amazonレビューの読み方

レビューを活用してより良い買い物をしよう

レビューが無い書籍の見方

レビューが無い理由

このように考えられます。

  1. 誰も読んでいない
  2. レビューする題材の書籍ではない
  3. 誰もレビューしたくない
  4. レビューが求められていないというコンセンサス

シリーズの新刊

漢検 3級 過去問題集 2019年度版
引用:2019年6月1日23時36分


Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 1,290位
2位 ─ 漢字・文字
2位 ─ 漢字検定
26位 ─ 日本語研究

毎年出ていて、安定の需要があるのでしょう。この手の書籍は売れ行きがいいし、実際に数字も出ています。しかしレビューが無い。問題集という書籍は編集者の癖が出やすくクレームになりやすいはずなのに。
つまり、みんなが信用しているものだから、あえてレビューで云々する必要がない。むしろ野暮だ。そんなコンセンサスが読み取れます。

もちろん売れてないからという可能性を排除しなければいけません。売れ筋ランキングを必ずチェックしましょう。

極めて最近の出版物

普通に、誰も読んでいないパターンです。正確には、レビューを書くタイプの人が誰も読んでいない。

唯一の手がかりと思われたレビューですが、無いことから分かる点もあります。

ひよこ太陽
引用:2019年6月1日23時50分


Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 12,272位
16位 ─ 芥川賞受賞(126-150回)作家の本
412位 ─ 日本文学

発売からたったの3日。本格的に情報がありません。でも見えてくるものがあります。

  • 作者は芥川賞受賞歴を持つ(なので受賞者をオフィシャルで調べる)
  • 「共喰い」の作者だった

小説ならではですが、出版社がそれなりの紹介文を載せています。これも引用します。

Amazon内容紹介
道理で女が出てゆくわけだ――。妄想に取り憑かれた作家の姿を描く新しい私小説。今日も死ななかった。あの帽子を見たために、今日も死なずにすんだ――。一緒に住んでいた女に出ていかれ、切り詰めた生活でひたすら小説を書く40代の男。書けない日々が続き、いつしか死への誘惑に取り憑かれた男に、ある日人探しの依頼が届くが……。虚実のあわいで佇む作家の日常を描く連作小説集。芥川賞作家の新境地作。

注目は最後の一文です。『新境地作』だそうです。「共喰い」をイメージしていると危険かもしれません。ただ出版社の言う『新境地』にはあまり説得力が無いのも確かです。どうしたらいいか。
けれども何となく作品の雰囲気を伝える紹介文になっています。『連作小説集』というからには、一本の柱を囲む複数のエピソードを並べた短編集といったところでしょう。

そこまで分かれば、買うべき人が絞られます。

  • 芥川賞系列の文学作品を愛読している
  • この作者の作風に関心がある
  • 紹介文にある作品の雰囲気に惹かれる

該当するならば、レビュー第一号になる価値があるかもしれません。

洋書

レビュー少ないです。英語のレビューはたくさんあるのに、日本語のレビューが無い。
最初に言っておきますが、洋書で全くレビューが無いならお手上げです。日本の書店で確認することは期待できません。ギャンブルになります。

Bibliophile: An Illustrated Miscellany
引用:2019年6月2日0時05分


Amazon 売れ筋ランキング: 洋書 - 22,981位
10位 ─ Antique & Collectible Books
37位 ─ General Books & Reading
297位 ─ Literary Movements & Periods

日本人の大多数はタイトルが読めないでしょう。"biblio-"=本の、"-phil"=愛好するなので、"bibliophile"は「本を愛でる」とでもいった感じです。"illustration"=イラストはまあ分かるでしょうが、本来の"illustrate"は「実例で説明する」といった意味です。"miscellany"=寄せ集めということで、サブタイトルは「雑多なサンプルによる実例解説」といった感じです。
そう言いつつ、(後の内容と若干矛盾しますが)レビューをよく見ると「イラストだから飽きるけど写真なら違うのかな?」という文章がありました。"illustrated"は、実例を並べているという意味と、イラストで描いているという意味の、ダブルミーニングのようです。これは本を買うか買わないかの判断に影響しそうなしなさそうな・・・

こればかりは、英語が駄目な人とはお別れです。なぜなら、英語が駄目なのに洋書を買う人はいないから。写真集とかイラスト集(日本語の「イラスト」)であれば、ジャケ買いでも構わないと思います。

英語なら52件のレビューがあります。基本的にそれを読めばいい。でも本文なら辞書を首っ引きで頑張る気にもなれますが、レビューにあまり労力を使いたくない。当然です。工夫してみましょう。

  1. 総合点を見る
  2. レビュータイトルを見る
  3. 単語を拾う

日本では、レビューはクレームを入れる場だと勘違いされているため、星3くらいでは低いと理解されています。しかし外国のレビューは感じたままを素直に書かれているため、星3を中央に下は低評価で上は高評価だと判断できます。
というわけで、上の本はAmazon.comで52件、星4.5をもらっている良書だと分かります。

星が決め手にならないなら、タイトルを見ましょう。日本人はビジネスメールのタイトルでさえろくに書けない人間が多いですが、外国では違います。人に見られる文章を書くならば、見せても恥ずかしくないように心がける。そういう「人」が多いかどうかは不明ですが、そういう「文」が多いのは確かです。

Amazon.comからのレビュー引用
<肯定的>

"A new favorite for this book nerd"(by Amanda Sandell)
"A must for book lovers!"(by J)
"It's Pure Joy!"(by Gigi)
"Best book I’ve seen in a long time!"(by P. McKenzie)

<否定的>

"Worthless"(by David L.)
"I almost LOVED this book!"(by Nicea Demers)

これくらいなら、一目でニュアンスが分かるはずです。"Worthless"(無価値)という痛烈なものはありますが、感動がストレートに表れた肯定派のレビューの力には負けます。

それでも迷うなら、本文を見るしかありません。文として読むのは大変ですから、ざっと単語だけ拾います。

Amazon.comのレビューで印象的だった単語
<肯定的>

delight, wonderful, fascinating, interesting, lovers, illustrations, gift

<否定的>

tired, nowhere, worthless, politically

肯定的な単語は繰り返し繰り返し出てきます。否定的な単語は一度しか出てきませんでしたが、印象は残りました。そういう部分は個人的な体験としての問題なので、やってみてくださいとしか言えません。
否定的なレビューに対してはこんな意見があります。

Amanda Sandellのレビューを一文のみ抜粋
"I rarely post reviews, but I wanted to balance the bad reviews that I simply don’t understand."
(私は滅多にレビューを書きませんが、今回書いた理由は、否定的なレビューが何を言っているのか単純に分からないので、評価を上げたかったからです。[訳:私])

10行以上あるような長いレビューは無視しましたが、それでもこんな感じの情報が得られます。52件(無視も含む)で1分もかかっていません。洋書を読むような人なら問題ないはずです。

まとめ

他のパターンもあることでしょう。気づいた時に追記します。

レビューが無いからといって、人気が無いとは限らないし、質が悪いとも限りません。思い込みで出会いを逃してはもったいないです。