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レビューが極端に少ない書籍の見方「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」

今回の題材

官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪

レビューチェック

2件です。しかし、いずれも長文です。政治関係だとなぜか長文レビューの出現頻度が上がります。

長文の読み方

全部読もうとしてはいけません。時間の無駄です。書いた人はテクニカルライターではありませんから、自己主張の塊だと決めつけるくらいがちょうどいいです。

ものすごく長いレビュー

1件については、『続きを読む』リンクが表示されています。長文レビューを書く人たちは、結論から書くという技術を持っていません。だいたい、結びの部分に本当のレビューが集中しています。なので、

既に表示されている部分をあえて無視して最後だけ読む

という方法をとります。引用するとこうなります。段落が大きすぎるので、俄然引用もデカくなります。

レビューワー:puspaka
日付:2019年6月1日
引用:2019年6月7日


(前略)
この本を読んで未来も読めた。この官邸官僚三氏が、現首相退陣後も権力を維持するためには、新しい首相に取り入るしかない。しかし、その野望も、今、次期首相という餌を目の前にぶら下げられながら、必死で屈辱に耐えている岸田氏が首相になったりしたら一挙についえる。三氏がその権力を維持するためには、影の総理とも言われる剛腕官房長官氏に次の首相になってもらうしかない。しかし、官房長官氏には派閥も何もなく、いくら力があっても、このままでは首相になることは不可能である。だから官房長官氏に、異例のアメリカ単独訪問の場を設定したり、派閥作りを画策させたり、はては首相に、次の首相は”菅でいいんじゃないの”などと言わせたりして、虎視眈々と次の政権への布石を打っている。すべては自分たちの権力維持のためである。晴れて官房長官氏政権が誕生した暁には、その論功行賞として三氏にはこれまで以上の破格の地位が用意されるであろう。メデタシメデタシ。  だけどそんなにうまくいくかなあ。

タイトルを見れば『現首相』が安倍を指すことは明白です。どうやらこの人は、官邸官僚とされる者たちが安倍亡き後にどう権力を保とうとするかについて考察しているようです。この人が考察しているということは、本書ではそこに触れていないのでしょう。考察の内容が『未来』だとするなら、本書には過去が書いてあると思われます。官僚たちが権力維持を求めているという考察は、現時点で権力を持っていることを意味します。

全文見えているが長いレビュー

言いたいことはたくさんあるが、できるだけ簡潔に述べようと努力している。そういう目で見ましょう。
所詮は素人ですから、文章としてのまとまりまで期待してはいけません。それでも、

言いたいことをハッキリと言い切っている

ことは期待できます。ということは、全く濁していない言い切っている部分を探せば、言いたいことが分かるはずです。美しくないですが、引用のルールということで、切り出しはせず強調だけでその部分を示します。

レビューワー:さきこマイラブ
日付:2019年6月1日
引用:2019年6月7日


 現在の安倍政権を支えている、いわゆる「官邸官僚」の知られざる実態と行動を詳細に綴っている
 いろいろと官僚の不祥事やスキャンダルが相次いで発生しているにも関わらず、安倍政権が微動だにしない秘密がここにある。政権の意向を笠に着ているため、何が何でも安倍首相を守り抜くというのは、ある意味官僚として当然の事だろうが、忖度という言葉が悪い意味で流行語になったように、実は政権を守るべき官邸官僚自身が政権にダメージを与えているのではないかと心配になる。
 官邸官僚の立場にいる人々は、パワーエリートなのだから、政権を守るというよりも、国民のために政権が動いてくれるように誘導し、支えていってほしい。単に自己の権威の保持や保身に走るためではなく、国民のために行動してほしい。そうすれば安倍政権はまだまだ無事に続くであろう。
 官僚は一般的には真面目で優秀な人材なのだから、常に「国民のため」という視点を忘れないでほしいと思う。
 本書は、政務秘書官首相補佐官官房副長官などの官邸官僚の姿勢を綿密に取材し、一般の国民には見えにくい政権の裏側を紹介している。この点は大いに評価して良いであろう。

この色の部分が断言口調で語られています。読むべき場所はここだけです。まあ、目を通さないと断言口調を見つけることはできないわけですが、目を通すのと意味を考えながら読むのとでは全然違います。

これを切り出して整理するとこんな風になります。

本書には、現在の安倍政権を支える、いわゆる「官邸官僚」の知られざる実態と行動の詳細が綴られている。著者は政務秘書官首相補佐官官房副長官などの官邸官僚の姿勢を綿密に取材し、一般の国民には見えにくい政権の裏側を紹介している。ここに、安倍政権が微動だにしない秘密がある。

これだけで、どういう本なのか、あなたの興味をどれくらい引いてくるか、分かる気がしないでしょうか。

まとめ

テーマが重い書籍だと、ガッツリ系のレビューが増えがちです。正直に付き合っていては、自己主張に振り回されて書籍の純粋な評価が分からなくなります。ポイントを絞ってレビューを読めば、件数は少なくても、役立つ情報を得られます。